開業準備中に、お問い合わせをいただきました。
肺がん、乳がんの手術を経験された方で、それを原因とする浮腫(むくみ)が生じている方でした。むくみを何とかしたいとのこと。
主治医に浮腫のことを相談したら、「マッサージでも行ったら?」と言われたそうです。
たしかに私はマッサージの資格は持っていますが、リンパドレナージの知識はありません。
そこで、私の友人で、リンパドレナージの専門家(海外の専門書を翻訳するレベルのエキスパート)に相談をしました。
すると、以下のようなことを教えてくれました。
・がん術後のリンパケアは、基本的には医師の指導のもとに行う。
・再発や転移のリスクがあるので、むやみやたらと揉んではいけない。
・がんの箇所や術式、手術からの経過時間など、詳細な情報があった方がよい。できれば医師からの情報提供がほしい。
患者さん本人にしてみたら、むくみを取りたい一心ですから、もんだりさすったりしますよね。でも、マッサージ師としては、普通のマッサージとは別に考えなければならないということです。
医療リンパドレナージは、私たちマッサージ師が学校で習った手技とは全く異なる手技です。基本は包帯などによる圧迫で、抑え込むことによってリンパ自体を患部に滞留させないとうもの。
そして、滞留してしまったリンパに対して、補助的に手技を使うということのようです。
そんなわけで、私はお役には立てないということがわかりました。
ついでに調べてみたところ、茨城県内でリンパ浮腫の治療が可能な病院は9箇所のみでした。そして、そのうち8箇所は大きな総合病院です。
つまり、身近で通いやすい病院にはリンパ浮腫の専門家はいないようだ、ということになります。
私のところに問い合わせがあったのも、きっとお困りだったからでしょう。
そんなこともあり、今年の8月下旬、1週間お休みをいただいて、医療リンパドレナージの資格を取るためのセミナーに参加することにいたしました。
がんという大変な試練を乗り越えられた患者様につきまとう、リンパ浮腫の問題にきちんと対処できるよう、ちゃんと勉強しようと思いました。
順調に行けば、2018年9月中旬からは、リンパ浮腫に適した手技が施せるようになる予定です。
難しい手技だと聞いていますが、がんばろうと思っています。
参考動画:医療用リンパドレナージとは
https://www.youtube.com/watch?v=pU6ujBdNDMY
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