転倒は介護の入口。転ばないためには?
更新日:2018年5月23日
世界一、高齢社会の日本。
五木寛之先生が「下山の思想」と名付けたように、すでに日本は下り坂の国なのであり、これから再び経済大国になるような奇跡は、まず起こらないと考えていいでしょう。
少子化が進んで、労働人口が減って、高齢人口が増えていくわけです。
そして、その高齢者がぜーんぶ要介護者になったら、どうなるでしょう。
この国は終わりですよね。
だって、支える人がいない。
財源がない。
支えるための保険制度が破綻する。
健康保険も介護保険も、生活保護も、世界に誇れる素晴らしい制度だと思いますが、これらが健全に機能したのは、元気に働ける世代がたくさんいて、企業も業績が良くて、税金をバンバン納めていた頃のお話です。
じゃあどうすればいいのかと言えば、みんな自分で元気になることです(笑)。
特に、お年寄り(私も予備軍)は、とにかく介護状態にならないようにすること!
当院の患者さんは、多くが60代以上の方なのですが、みなさん、介護は嫌だとおっしゃいます(そりゃそうだ)。
そこで、キーワードとして「介護予防」が登場するのです。
「介護状態にならないように、なんとかする!」のです。

私は、介護予防運動指導員という資格を持っていますが、これは、介護状態になることを避けるための運動を指導する資格です。
その講座の中で、何度も聞いたのが、「老人は、何もない所でいきなり転びますから!」という言葉。
最初は笑って聞いていましたが、これは本当のことで、段差もなにもない、平らな所でも高齢者は転倒するそうです。
その原因は、ズバリ運動機能の低下です。
・筋力が衰える。
・関節が動きにくくなる。
・身体のバランスを取りにくくなる。
これらは、すべて転倒につながります。
転倒は介護の入口です!
絶対に入りたくない入口ですけど、
「転倒→骨折→入院→認知症→介護状態」
は、介護状態になる定番の流れです。