K先生、在学中はお世話になりました。
おかげさまで開業し、ひとり治療院で頑張っています。
先生は「臨床」という言葉がお好きで、シラフの時も泥酔の時も、つねに「臨床」の話をされました。先生の戒名には「臨」と「床」の文字を入れたら良いと思うほどです。
開業して、「先生」と呼ばれるようになり、改めて先生がおっしゃった「臨床」の意味を考えています。
患者さんは、ひとりとして同じ身体、同じ症状の方はいらっしゃいません。
来院された方、おひとりおひとりを診て、お話を聞いて、触れて、そこで「さあ、どうする?」と問われます。
知識だけでは対応できません。
古い経験だけでもうまく行くとは限りません。
インスピレーションも大切ですが、それがすべてではありません。
全部、そう、私の全部が臨床につながっているのだと、やっとわかってきた気がします。
そう言うと先生は、きっと「まだまだだな」と笑うと思いますけど。
治療家が10人いれば10人の臨床がある、と教えていただきました。
最終的に、患者さんがよくなればいい、その方法はいくらでもある、そう教わりました。
私は、私にしかできない臨床を探していきます。
本当に、患者さんから教えていただく毎日です。
これで終わりということは、ありません。
先生が酔っ払いながら「臨床はいいぞぉ」と笑ったお顔を私は忘れません。
私も、ああいう風に笑いたい、そう思いながら日々、臨床に立ちます。
(あ、K先生亡くなってないですからね。なんか追悼文みたいですけど(笑))
ちょっと空き時間に先生を思い出したので、書きました。
これからもご指導をお願いいたします。
Comments